はじめに

どうも! みなため(@MinatameT)です。
この記事では、女性専用車両の問題に詳しい筆者が、次の記事への反論をしています。問題の部分は後で引用します。
この記事は、大学4年生の方が作成した卒業論文のようです。一生懸命書いていることは評価しますが、道徳的な視点が甘いですね。今回は、その点を主に指摘いたします。
さて、最近(2019年付近)、Googleで、検索アルゴリズムのおかしなアップデートが何度も実施されたことは、サイト運営者ならご存知のことだと思います。
例えば、「女性専用車両 問題点」と検索すると、私の次の記事が上位表示されずに、おかしな記事が上位表示されている事態が発生しています(まともな記事もあります。)。
その「おかしな記事」にツッコミを入れていくシリーズの第2弾です。第1弾は次の記事です。
今回もツッコミどころが多いですが、男女平等のためにも頑張ります。

それでは、さっそく引用しつつ、反論していきます。
問題の所存について
このリポートの目的は,女性専用車両の差別性を考察することである。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
私が一言で言ってしまえば、「女性専用車両のルールに差別性はない。しかし、運用の実態としては差別性がある。」といったところですね。
なぜなら、実際に男性差別が頻発しているからですね。
この結論を、どのように導き出していくのか……楽しみです。
男女平等がうたわれるなかで女性専用車両に対しての意見は賛否分かれている。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
これは事実なのですが、女性専用車両のルールや実態を知っている人の中で、まともな人権感覚を持っている人は(女性専用車両に関する差別に)全員反対しています。
女性専用車両の導入はただの選挙対策
女性専用車両導入は,1988年11月4日に大阪市営地下鉄御堂筋線で痴漢行為を注意した女性が強姦される事件が起きたことがきっかけである。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
これは嘘です。残念ながら、調査不足です。
この事件自体は非常に悪質なのですが、実際は、公明党の女性票獲得のために導入されました。
大義名分は「痴漢対策」ですが、実際は男性対策になっているので悪質です。痴漢と関係のない男性を巻き込んではいけません。
連帯責任論については、次の記事をご覧ください。
女性専用車両は男性対策
日本の女性専用車両導入の理由については,国土交通省の『女性専用車両路線拡大モデル調査報告書』(2002)において「男女共同参画モデルを目指す日本社会においては,日々の通勤・通学等の面においても女性が安全,快適に社会運動に参加するための環境づくりが必要であると考え」,「痴漢は(盗撮,酒に酔った客による嫌がらせなども含め)犯罪であり,人権侵害であるという立場から,その防止を目的としている」としている
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
こうやって女性を弱者扱いして、男性を悪者扱いするのはいけません。個別で判断すべきです。
特定の属性だけで判断することについては、次の記事をご覧ください。
また、女性専用車両はただの男性対策であり、痴漢対策に効果がないのは明白です。なぜなら、女性専用車両以外で痴漢が発生するからですね。
「痴漢は犯罪かつ人権侵害」という点は正しいです。しかし、それを防止するのなら「男性という属性」で一緒くたにして排除するのではなく、時差通勤(時差通学)を推進するのが良いでしょう。
男性対策は男性差別(人権侵害)ですから、賛成できるわけがありません。
乗車対象は「全員」ですよ!
乗車対象は,鉄道事業者の多くは女性,小学6年生以下の男性,身体不自由者(介助者を含む)としている。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
これは嘘です。またもや調査不足ですね……。
実際のルールは「誰でも乗れる」です。誰でも乗れるというルールを誤解させようと、鉄道会社がおかしなアナウンスをしているのです。
そもそも、小学6年生以下の男性が乗車可能で、中学1年生以上の男性が乗車不可なのはおかしいですよね。線引きが意味不明です。
中学生になった男性は、全員痴漢予備軍になるのでしょうか? そんなふざけた話は、冗談でもやめておいたほうが良いですよ。
女性専用車両は痴漢対策に効果なし
導入の前後で痴漢被害件数の変化があったかを多くの鉄道事業者は発表していない。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
そうですね。痴漢被害件数が明らかに減っていれば、鉄道会社は「女性専用車両は痴漢対策に役立っています! このデータを見てください!」と、女性専用車両の有効性をアピールするでしょうね。
しかし、実際のところは痴漢被害件数はあまり変わっていないと思います。なぜなら、前述のとおり、女性専用車両は痴漢対策に効果がないからです。
むしろ、女性専用車両以外の乗車率(混雑度)がアップするので、痴漢にとっては(密集できて)都合が良いわけです。
理解も協力もできません!
法的に女性専用車両に男性が乗ることを禁止する強制力はなく,利用者の理解と協力の下で成り立っているサービスである。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
前半はそのとおりで、法的な強制力は一切ありません。あれば憲法違反で無効になりますよね。
後半に「利用者の理解と協力」と書いてありますが、男性差別に理解も協力もできません。ただ、女性専用車両のルール(誰でも乗れる)なら理解できます。
「誰でも乗れる」という一番大事なルールを、鉄道会社が周知徹底しないのはダメでしょう。男性差別の推進は、本当にやめてもらいたいです。
痴漢対策で利用している女性は少数派という事実
通勤電車内で不安や不快感の原因になるものを訪ねたとき,1番多かったのが「マナーの悪さ」,2番目が「騒音,ヘッドホンやイヤホンからの音漏れ,(他の乗客のおしゃべりの)煩さ」
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
1番が「身体の接触(痴漢含む)」になっていないんですよね。「マナーの悪さ」が何を指すのかはわかりませんが、マナー違反ぐらいは気にするほどでもないと思います(ルール違反ならダメですが……。)。
音漏れやおしゃべりがうるさいのも、まあ程度によりますね。個人的に、ゲームセンターほどの騒音になっていなければ我慢できますが……(笑)。
女性が女性専用車両を利用する理由と痴漢との関係性は薄くいことがわかった。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
これは「5.1.要約」から引用しました。
実は、痴漢被害防止のために、女性専用車両を利用している女性は少数派です。これは、上記のことからわかると思います。
ちなみに、私の母親は、「混雑していないから(座りやすい)」という理由で、女性専用車両を利用しています。
女性専用車両に反対する理由について
女性専用車両を支持しない女性の64人のうち52人が理由を挙げている。その半数以上のコメントが,「私個人は必要ないから」といったような,女性全体ではなく個人として女性専用車両を必要としていないからという考えが多かった。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
「私個人は必要ないから」って、けっこう自己中心的な思考ですよね。じゃあ、「必要だと感じたら賛成していたのか?」ということです。
こういったときは、男性の人権(悪者扱いしないこと)と女性の人権(弱者扱いしないこと)を考えないとダメですよ。
痴漢被害の有無にかかわらず男女平等に扱わなければ差別であるとする意見や,女性のマナーの低下を指摘する意見,行動を改めるのは男性であり痴漢の被害者である女性が女性専用車両を使用する不便を強いるべきではないという意見で反対しているものもあった
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
「男女平等に扱わなければ差別」というのは大正解ですね(ここでの平等は公平のことです。)。女性のマナーの低下については、人によるでしょう。しっかりとしている女性なら大丈夫です。
問題なのは、最後の意見ですね。「行動を改めるのは男性であり痴漢の被害者である女性が女性専用車両を使用する不便を強いるべきではない」と書いてあります。
行動を改めるのは男性ではありませんよ! 正しくは、痴漢犯罪者(痴漢しないこと)と女性(自己防衛すること)です。また、「不便を強いる」と書いてありますが、女性専用車両のルールを誤解しているのでしょうか?
女性専用車両は、「女性の乗車を強制する」ものではありません。女性ばかりが乗っていますが、「誰でも乗れる」というルールがあります。
また例のTX裁判ですか?
男性があえて女性専用車両に乗り込んだことが原因でトラブルが多発しており,中には裁判にまで発展したケースもある。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
「男性が乗り込んだことが原因」なのではなく、「男性が乗ったことに対して、余計なことをした人がいたのが原因」ですよ! これを間違えるのは大減点レベルですね……。
裁判と聞くと、例の「TX裁判(つくばエクスプレス裁判)」がよく挙げられますね。道徳的に正しくない結果が出た裁判です。
女性専用車両に反対する団体の構成員の男性たちが2008年6月27日朝,「女性専用車両に乗車する」と事前予告したうえで「つくばエクスプレス」(首都圏新都市鉄道)の女性専用車両に乗った。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
ルール上は「誰でも乗れる車両に乗りますよ」ということなので、予告には何も問題がありませんね。もちろん、実際に乗ることも問題なしです。
男性たちは「女性専用車両は本来,誰でも自由に乗車できるのに,健常な成人男性が乗車することを事実上禁止している」として,「憲法で保障された居住・移転の自由を侵害する」「法の下の平等にもあたる」と主張。鉄道会社に対して,損害賠償と謝罪広告などを求めた。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
そう主張したのは、女性専用車両に反対する会の「元メンバーのTさん」です。
当たり前ですが、「女性専用車両は本来、誰でも自由に乗車できるのに、健常な成人男性が乗車することを事実上禁止している」ということは大問題です。人権侵害です。
東京地裁は「鉄道会社は,営業に関する自由な裁量権を有しており,女性専用車両の目的,時間帯などから,設置は正当だ」「健常な成人男性の乗客に格別の不利益を与えるものといえない」などと判断。男性側の請求をすべて棄却する判決を言い渡した。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
これ、本当にひどいですよね。「営業の自由」に「不当に差別する自由」は含まれていません。しかも、男性に格別な不利益がないとしても、男女平等に反していたら(憲法違反なら)ダメでしょう。
こんなおかしな判決を言い渡してしまったので、女性専用車両賛成派たちを余計に勘違いさせるようになってしまったのです。

裁判所の判決が、道徳的に正しいわけではないのです。
男性専用車両なんて要らない!
男性だけが一方的に女性専用車両導入のデメリットを受けることや,男性が被害者になる性犯罪の対処策にはなっていないことなどをあげる声や,痴漢をする側である男性側を隔離すべきという理由から男性専用車両を望む声もある。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
男性専用車両を追加したところで、差別の種類が増えてややこしくなるだけです。表面的には男女平等に見えますが、差別の本質的な解消にはなっていません。
もちろん、LGBTなどのセクシャルマイノリティーの人権軽視や、男性が被害者になる可能性の無視……という問題点もあります。これは正しいです。
最後の「痴漢をする側である男性側を隔離すべき」というのは悪質すぎる意見ですね(怒)。「男性を痴漢だと決めつけて隔離しようとする思考」はかなり野蛮ですよ。
女性専用車両を廃止すれば解決
男性が男女不平等を訴えている理由は急速な男女平等政策についていけず,男性性が失われることの危機的な感情も関係していること考えられ,男性の自尊心を傷つけないための具体策を講じる必要がある。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
まともな人権感覚を持った人間が「男女不平等」を訴えているのは、(本当は誰でも乗れるルールなのに)男性だけが乗りづらい車両(睨まれたり暴行を受けたりする車両)があるからです。人権侵害だからです。
したがって、女性専用車両は「急速な男女平等政策」ではなく、「男性差別政策」です!! ついていけないのではなく、ついていったらダメなんです。不当な差別に賛成できません。
そして、男性の自尊心を傷つけないための具体策の答えが、「女性専用車両の廃止」です。これで、(余計なことをしなければ)男女平等になります。
その「差別的な面」が一番の問題なんですよ!
女性専用車両が差別的な面があるのは事実であるが,だからといって安直に痴漢問題を解決せず女性専用車両を廃止すれば,女性の人権が無視されるかたちになる。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
女性専用車両の差別性を考えると,個人の生物学的性別や性的アイデンティティーを基準に,個人の自由を制限することは性差別である。性別二元論と異性愛前提の考えから単純に男女で空間を仕切ることへの問題性が指摘される。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
まず、「痴漢対策のふり > 人権」という思考になっているのがおかしいです。
前述のとおり、女性専用車両は痴漢対策ではありません。しかも、女性専用車両を廃止しても、女性の人権を無視することにはなりません。
現在の「男性差別的な面」こそが、女性専用車両問題の最大の問題です。その他にも大きな問題点はありますが、一番の問題点は「男性の人権を無視している(男性差別)」ということでしょう。
これを軽視してしまう方には、人権感覚の育成が必要です。私のブログの「道徳カテゴリー」の記事を読んで、勉強してください。
自己防衛するのは基本
女性専用車両の反対意見としては,男女平等や憲法違反を訴えるものがあるが,こういった意見は痴漢被害の実態について把握も言及もしていない。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
女性専用車両の実態を考えてみてください。YouTubeにアップロードされている「任意確認乗車」の動画を、何本かご覧になりましたか? 実際に、男女平等に反しているではありませんか! これは、憲法違反ですよね。
痴漢被害の実態については、確かに、把握も言及もあまりしていません。その代わり、非常に大切な「痴漢対策の方法」には言及しています。それが、自己防衛(時差通勤など)ですよね。
「誰かに守ってもらおう」という自己防衛の軽視がダメなんです。そんなに甘い考えをしていては、痴漢被害に遭いやすくなってしまいます。海外旅行も危険でできないですよ。
痴漢被害に遭うのは女性側に問題があり,女性が注意し自分で片づける問題であり,男性が不平等を被るべきではないという自己責任論が強い。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
「自己防衛をしない」という選択をとった時点で「自己責任論」が適用できますし、まともな男性たちが不平等を被るべきではありません。
自己責任論については、次の記事をご覧ください。
ただし、「痴漢をした人が一番悪い」というのは正解です。絶対に許されない行為です。

理解力のない方は、「女性専用車両反対派が痴漢の味方をしている!」と勘違いをするんですよね……。
差別に鈍感な国(女性は弱者じゃない!)
同じような文化圏を持つアジア圏で女性専用車両が導入されていない国もあることから,女性専用車両の導入を良しとした日本独自の文化があると考えられる。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
これは、ただ単に、日本国民が差別に鈍感な傾向があるからです。レディースデイや女性専用サービスなどが流行していることから、日本国民が差別に鈍感である傾向が見られます。
男性が女性を痴漢する理由は単なる性的欲求の発散だけではない。ジェンダーの観点からみれば,社会における男性の立場や男女平等策における社会の変化,男性の心理等が関係していると言える。たとえば,弱者である女性等をコントロールする支配欲についてなどが考えられるが,紙幅の関係上ふれることができなかった。
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/BS/0043/BS00430L083.pdf
確かに、日本は「男性社会(管理職の男性の割合が高い社会)」です。
ただ、これは女性差別の結果ではありません。ジェンダーロールの固定観念(男性は働いて、女性は家事や育児をする。)が影響していると思います。
※私の主張する「男性社会(管理職の男性の割合が高い社会)」と、エセフェミニストの主張する「男社会(男尊女卑な社会)」は意味が異なります。男性社会が悪い……というわけではありません。「実力主義」を徹底しているのならOKです。
また、「弱者である女性」と書いてありますが、これはマズいですね……。女性を弱者扱いするのは「女性差別」ですし、女性に失礼です。

女性も立派な人間です。女性という属性で弱者扱いするのは、絶対にやめましょう。
この論文を書いた方へ
私はあなたに恨みがあって、この記事を作成したのではありません。その点は安心してください。
あなたの論文の内容にいくつかの問題点があったので、ここで指摘させていただきました。すべて健全な批判(教育的アドバイス)です。
これを機に、あなたの人権感覚を優れたものにしてみてください。
今回はここまでです。長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
みなためじゃんけん
このコーナーは、私と擬似的にじゃんけんできるコーナーです。
みなためじゃんけん、じゃんけんぽん!
私が出したのは……
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グーでした! パーの勝利です!