もくじ
はじめに
どうも! みなため(@MinatameT)です。
私は次のような作品の表現規制に強く反対している立場です。
- ゲーム
- アニメ
- 漫画
- 映画
- 小説
- 音楽
この記事では、こうした作品の表現規制の具体例や問題点について解説していきます。
ちょっと難しい説明文もありますが、消費者(作品を楽しむ側)にとってもクリエイター(作品を創作する側)にとっても極めて重要な話ですので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
※注意:表現規制の例として画像を用意していますが、説明の都合上、やや過激なものも含まれておりますのでご注意ください(中学生以上の読者さんでしたら大丈夫なレベルです。)。
表現規制とは
誤解なく読み進めていただくために、まずは言葉の定義を確認しておきましょう。
表現規制とは、この記事では「描写規制」と「言葉狩り」の2つを総称しています。
- 描写規制:特定のシーンの一部を隠したり、シーン全体を改変すること。
- 言葉狩り:特定の言葉を別の言葉に置き換えたり、言葉を伏せ字または規制音(ピー音)にして伝わらなくすること。
これらの例は後ほど紹介します。
また、他の専門用語の定義は次のとおりですが、この記事の文脈に合うように少々改変しています。
- 表現の自由:創作者(クリエイター)が創りたい作品を、表現規制なく自由に表現、公開できる権利。憲法第21条で規定されている。
- 言論の自由:創作者(クリエイター)の意見を、検閲なく自由に表現、発信できる権利。憲法第21条で規定されている。
- 規制派:ゲームやアニメなどの作品に対して、表現規制をすべきだという立場の人間。
これらの言葉の定義を踏まえて、次の項目では表現規制の例を紹介していきます。
作品の表現規制の例
それでは、作品の表現規制の例を画像付きで紹介していきます。
描写規制の例
まずは「描写規制」の例です。
例えば、次のようなゲームの広告があるとします。
しかし、描写規制によって次のような広告になってしまいました。
こうして、2次元キャラクター(非実在の人物)の胸を隠すことになんの意味があるのでしょうか?
外部圧力による規制であっても自主規制であっても、このようなくだらない規制をしていると創作文化やオタク産業に悪影響でしかありません。
実際に、このような謎の光を出している広告をいくつも見たことがありまして、非常にバカバカしいと思いました。
こうした過剰な規制をした広告に「ちゃんと隠されてて笑った」といった意見もありましたが、笑っている場合ではありません!
もう1つだけ例示しますが、グロ注意です。
例えば、次のようなアニメのシーンがあるとします。
しかし、描写規制によってグロい部分が隠されてしまいました。
ただの絵であってもグロいのが苦手な人はいると思うのですが、このように自主規制をしているときりがありません。
法的に問題がなければ隠さないほうが良いでしょう。
現実的には、誰でも見れるテレビ放送版では隠し、円盤(ディスク)やVODサービスでは描写規制なし……という感じなら文句は言われないと思います。
円盤でも規制されていたら「誰が買うのか」という話ですよ。
こうしたグロ規制を考えると『鬼滅の刃』は斬首が規制なしで見れるので、表現の自由の観点からも良い作品だったと思えます。
あと、こちらは古くて記憶が曖昧ですが『エルフェンリート』は規制派にケンカを売るような作品だったと思います(笑)。
言葉狩りの例
次に「言葉狩り」の例です。
- 差別用語とされている「カタワ」を「身体障害者」に言い換える。
- 差別用語とされている「肌色」を「うすだいだい」に言い換える。
- 差別用語とされている「奴隷」を「奴◯」と表現する。
- 差別用語とされている「乞食」と発言した部分を無音化する。
これらの例は表現を変えただけであり、本質的には何も変わっていません。
「臭いものに蓋をする」の典型例で、不当な差別の根本的な解決になりません。
こうした無駄な言葉狩りは、表現の自由の侵害になります。
しかも、差別用語を規制すれば新しい差別用語が作られるだけですから、きりがありません。
大切なのは差別用語を使わないことではなく、いじめなどの不当な差別をしないことです。
形式主義から脱却しましょう!
表現規制を容認してはいけない理由
さて、ここまでは表現規制の例を見てきました。
ここからは、そうした表現規制を容認してはいけない理由を説明していきます。
表現規制を許してはいけない理由は次のとおりです。
- 少しの表現規制が次第に波及、強化されていく可能性があるから。
- 表現の自由や言論の自由の侵害になり、創作文化やエンターテインメント産業にとってマイナスだから。
前者については、権力者がフット・イン・ザ・ドア的に規制を少しずつ強化していったり、自主規制が流行(波及)していって結果的に業界全体の表現規制(暗黙の了解レベル)につながってしまうことが考えられます。
今の日本の国民性を考慮すると、自主規制の波及のリスクは高いといえるでしょうね……。
後者については、過激な表現を好む消費者(作品を楽しむ側)が表現規制にうんざりして萎えたり、クリエイター(作品を創る側)が表現したいものを表現できずに創作意欲が減退してしまうことが考えられます。
実際に、ある出版社では次のような言葉狩り(禁止ワード)が決定したことにより、漫画家さんの創作意欲は減退し、萎えてしまった読者さんも多いようです。
- 「狂」の漢字が含まれる言葉(例:戦闘狂、狂犬)
- サイコパス
- メンヘラ
非常に腹立たしいので厳しく言いますが、これは創作文化をぶっ壊しにきているレベルですよ。
こうしたふざけたことをする出版社は衰退するでしょう。
ある漫画では「酔う」が「◯う」と伏せ字にされているケースもありました。
それと、お笑い芸人が「最近のテレビ番組はコンプライアンスやポリコレに厳しいから、自分らの持ちネタが披露できなくなってきている。言葉狩りも多い。」といった自虐風のネタを披露していました。
そのネタは重苦しい様子ではなく軽いノリで披露されていたのですが、実際に一昔前のテレビ番組と比較すると今のテレビ番組は自主規制だらけでつまらないと思います。
こんな調子で、コンプライアンスやらポリコレやらを無駄に重視していくと、お笑い産業にも悪影響でしかありません。
芸人の裸芸だけでなく、男性の上裸すら放送できなくなる可能性もあるわけですよ。
はっきりと言いますが、エンタメに品行方正や清廉潔白を求めるのはお門違いであり、悪ノリやブラックジョークも許容されるべきです。
よって、創作文化やエンターテインメント産業を守りたいのであれば、規制強化を容認してはならないといえます。
私はフィクション作品や音楽に助けられてきた立場なので、そうした作品の表現の自由は絶対に守りたいと思っています。
私たちの居場所を奪わないでください!
なお、規制強化についてより詳しい説明をお望みの場合は、次の記事を参考にしてください。
表現規制をしなくても良い理由(代替案)
記事をここまで読んだ規制派の方でしたら「表現規制がないと無秩序な世の中になる!」などと心配することでしょう。
ですが、ご安心ください。
これからまともな代替案を2つ紹介し、それらを「表現規制が不要な理由」と結論づけます。
レーティング
1つめはレーティングです。
- 書店のR18コーナー
- オンラインショップの年齢認証(タバコ、アルコール飲料、アダルトグッズなど)
- ゲームのCEROレーティング(A、B、C、D、Z)
- 映画の映倫レーティング(G、PG12、R15+、R18+)
エロ系とグロ系については、年齢や個人によって向き不向きが非常に分かれる作品です。
これらのように作品を対象年齢で分類しておくことで、特定の年齢層の人や見たくない人が過激な作品を事前に避けることができます。
「表現の自由」と「秩序」を両立させる理想形の1つといえますね。
まあ、CEROレーティングについては表現の自由が保障されておらず、私は極めてクソなレーティングシステムだと思っているのですがここでは割愛します。
テロップや前書きなどでの事前警告
2つめはテロップや前書きなどでの事前警告です。
具体例は次のとおりです。
- 時代劇のテロップ:「この作品の中で不適切な用語が含まれていますが、当時の時代背景を考慮し、また作品を尊重してそのまま放送します。」
- 報道番組のテロップ:「これから地震と津波の映像が流れます。」
- 小説の前書き:「この作品には差別的な言葉が含まれていますが、作品の世界観と表現の自由を尊重し、そのまま表現しています。」
- ゲームの警告:「この作品には暴力的な表現やグロテスクな表現が含まれています。」
- 二次創作での死ネタ:元の作品のファンに考慮するため、表紙や前書きに死ネタが含まれていることを明記する。
これらのようなテロップや前書きによって、見たくない人は事前に回避できますし、見たい人は続きをそのまま見ることができます。
これも「表現の自由」と「秩序」を両立させる理想形の1つです。
しかし、レーティングや事前警告は法的に必須ではなく、あくまで各自の任意の配慮というレベルです(強要はダメです!)。
規制派から圧力をかけられた場合の対応策
ここまで読んでくださったのでしたら「表現の自由を守ること」について、しっかりとご理解いただけたと思います。
これでクリエイターさんは安心して創作活動に励める……と言いたいところなのですが、残念ながら、どれだけ配慮してもクレームをつけてくるバカな規制派の人はいます。
しかも、ツイフェミ(男性差別主義者)のように集団で炎上を狙ってくる害悪極まりない人たちもいます。
そうした悪質なクレーマーにどう対応すれば良いのか、また、絶対にやってはいけない対応を説明していきます。
もちろん、クリエイター側には非がないという前提です。
もし非があるのでしたら、適切な対応をしてください。
すべき対応1:反論する
この記事の一部を引用していただいても、誰かの言葉の受け売りでも全然構いませんので、不当に炎上させられたら「反論」しましょう。
例えば、次のような反論が良いでしょう。
- この作品は適切にレーティングされているので、見たくない人にも配慮できている。
- この作品はフィクションであり、登場キャラクターはすべて非実在の人物。よって、被害者はいないので文句を言われる筋合いはない。
- この作品で描写されている犯罪を助長する意図はない。『名探偵コナン』も犯罪を扱うが、問題にならないだろう。
これらはド正論なので、反論を受けたクレーマー側にはどう考えても勝ち目がありません。
まさに「ぐうの音も出ない」です。
悪あがきで「こんなキモい作品が公開されていること自体が問題なんだよ!」と反発されるかもしれませんが、そのときは「それってあなたの感想ですよね?」と挑発するか「あなたがこの作品をキモいと思うのは個人の自由です。しかし、この作品のファンの人もいます。個人のキモいという感想だけでは、作品の公開をやめるべき理由にはなりません。」とド正論で終わらせましょう。
すべき対応2:無視する
あまり炎上していないのであれば「無視」でもOKです。
規制派のクレーマーは燃やしたい作品(攻撃対象)を常に探しているので、あまり燃やせないと判断したら諦める傾向があります。
クリエイターさんにとってもオタクにとっても非常に迷惑な存在ですが、クレーマーにも言論の自由はありますからね……。
タレンタイアさんの「私はあなたの意見には反対だ。しかし、あなたがそれを主張する権利(言論の自由)は命をかけて守る。」という名言のとおり、意見や知性の異なる相手であっても、言論の自由は絶対に認めてあげなければなりません。
表現の自由を守りたいという立場であれば、これは絶対に守りましょう。
「エンタメ作品の表現の自由は認めるけど、バカな連中の言論の自由は認めません」となれば、ダブルスタンダードかつ人権侵害になります。
もちろん、犯罪に該当する書き込みなどには厳しく対応すべきですが、そうでなければ自由に言わせておきましょう。
例えば、三重交通も次の投稿でクレーマーに燃やされていましたが、クレーマーを無視することで規制の圧力に完全勝利しました!
クリエイターの皆さんは三重交通を見習い、見倣いましょう。
絶対にやってはいけない対応1:謝罪する
規制派のクレーマーは、特定のクリエイターの作品だけを攻撃対象としているわけではありません。
炎上したクリエイターさんが一度でも謝罪をすることで、規制派に「成功体験」を与えます。
すると規制派は「やっぱり自分たちが正しいんだ」と誤解してエスカレートして、さらにいろいろな作品を燃やしていくことになるでしょう。
そして、燃やされたクリエイターさんは、自身の作品の表現規制や公開停止に追い込まれる可能性があります。
つまり、規制派の理不尽なクレームを受けて謝罪することは、長期的に考えると表現の自由の侵害につながるおそれがあります。
厳しく表現すれば「利敵行為」だといえます。
だから、私は黒人差別的だと燃やされたときの大川ぶくぶさんの対応には否定的なのです。
このファンアートの内容に関してです
原作のイイダより肌が
明るく描かれているため黒人差別だという
反応をもらいました。
私もイイダがもし人間ならば、黒人だろうと考えています。
私の着色が下手なために、正確ではありませんでした、ごめんなさい。
「私もイイダがもし~」以降の文章は、私なら「私には黒人差別の意図がなく、単に着色が下手なだけでした。」としますね。
黒人差別に該当するようなファンアートではなく、クレーマーに難癖をつけられていただけなので謝罪の必要はありませんでした。
絶対にやってはいけない対応2:表現規制する、公開停止する
燃やされたクリエイターさんが、該当作品の一部の表現をクレーマーが納得するように変更したり、該当作品を公開停止するのはかなりの悪手(利敵行為)です。
規制派に成功体験を与えることになりますし、自身の表現の自由を侵害したり消費者(作品を楽しむ側)の楽しみを奪うことになりますので、絶対にやめましょう。
規制派の「文句を言えば、自分の気に入らない作品を世の中から消せる」という成功体験は、創作文化やエンターテインメント産業にとってマイナスでしかありません。
漫画やゲームの文化を守っていきたいのであれば、クレーマーの要求は絶対に聞き入れず、前述の「反論する」または「無視する」でスマートに対応しましょう。
私は何度でも主張しますが、自主規制を含む表現規制や公開停止はかなりの悪手です!
おわりに
ちょっと長くなりましたが、この記事では表現規制の概要と具体例、表現規制を容認すべきでない理由、表現の自由と秩序の両立方法、クレーマー対策について説明しました。
「表現の自由」について考えることは、アニオタなどの消費者にとってもクリエイターにとっても極めて重要です。
この記事が、創作文化やエンターテインメント産業の未来を明るくすることに貢献するのであれば、とても光栄です!
おまけ:報復合戦は最悪
私は規制派対策かつ棲み分けの実現として、レーティングや事前警告の徹底を推奨しました。
それでも文句を言ってくるバカな人に対しては、反論か無視をするのが良いとお伝えしました。
ここで「自分の作品が燃やされて公開停止まで追い込まれ、めちゃくちゃ腹が立ったので、そのクレーマーが好きな作品も公開停止まで燃やしてやろう!」となるのは最悪です。
この最大の理由は、報復合戦になるからです。
- エセフェミ(オタク男性を嫌悪し、攻撃する側の人間。オタク男性が好むようなアニメやゲームも攻撃の対象。)団体があるオタク向け作品を燃やして公開停止に追い込む。
- それに激怒したクリエイターやオタクたちが、エセフェミ団体の好む作品を燃やして公開停止に追い込む。
- エセフェミ団体がさらに過激化し、他のオタク向け作品を燃やして公開停止に追い込む。
このように、報復合戦になるときりがありませんし、表現の自由がどんどん失われていきます。
民衆は血を流し、街は崩壊。それで得られたものはなく、失ったものばかりでした。
それに、表現規制の反対派が表現規制をやっていたらダブルスタンダードです。
世の中にはいろんな作品がありますから、自分の好きな作品だけでなく大嫌いな作品もあるでしょう。
多様な作品が任意で楽しめることが理想です。
ですから「作品自体をつぶしてやろう」という思考は、創作文化やオタク産業にとって悪です。
規制派に加担しているだけの利敵行為です。
自分の好みにかかわらず、特定の作品がつぶされそうになっていたら全力で反対してください。
それが創作の自由を守ることにつながります。
「対岸の火事」で済ませないようにしましょう。その火はいずれ、海を越えて襲いかかってきますよ。
おまけ:そもそもなぜ表現規制を嫌うのか
復習ですが、表現規制に反対する理由は次のとおりでしたね。
- 少しの表現規制が次第に強化されていく可能性があるから。
- 表現の自由や言論の自由の侵害になり、創作文化やエンターテインメント産業にとってマイナスだから。
ここで、もっと簡単に考えてみましょう。
例えば、次のような規制についてはどう思いますか?
- 子供に悪影響があるかもしれないから、また、国民の健康意識を高める目的で『ONE PIECE』のサンジのタバコを表現規制する。
- 子供がマネをするかもしれないから、『アンパンマン』や『ドラえもん』の暴力シーンを表現規制する。
- 子供がマネをするかもしれないから、また、児童の性的搾取を防止する目的で『クレヨンしんちゃん』の「ゾウさん」や「ケツだけ星人」を表現規制する。
- 子供が飲みたくなるかもしれないから、アルコール飲料の広告を違法化する。
- 被災者やご遺族に配慮するため、地震や津波の描写のあるアニメやドラマを放送禁止にする。
- 事件の被害者やご遺族に配慮するため、殺人事件や放火事件を扱うアニメやドラマを放送禁止にする。
- 性の多様性に配慮するため、男性芸人であっても上裸の放送を自粛する。
明らかにやりすぎですよね?
こうして具体例を挙げたら、私が表現規制を嫌っている理由がわかりやすいと思います。
実はもっと多くの例を思いついているのですが、きりがないのでここまでにしておきます(笑)。
気になる方は、次の記事もぜひお読みください!
日本も海外も規制ばっかりで、本当にくだらないです。