はじめに:書籍の概要
どうも! みなため(@MinatameT)です。
この記事では、『Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー』の書評をしています。
最初の発行は2017年9月で、著者は山本 琢磨(やまもと たくま)さんです。山本さんは1978年生まれ、京都府出身で、株式会社オレコンの代表取締役社長です。
山本さんは今までに2374社以上の企業に向けたコンサルティングで、合計182億円以上の改善に貢献なさってきており、日本ではトップクラスのデジタルマーケターといわれています。
さて、こうした山本さんによる『Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー』ですが、次のような人におすすめです。
- 自社サイトやブログで商品を売っている人
- 自社サイトの会員を効率的に増やしたい人
- メルマガの読者を効率的に増やしたい人
つまり、ネットでユーザー(顧客)に行動させたい人ですね。こうした方々には、この書籍で紹介されている「マイクロコピー」をぜひ取り入れてほしいと思うのです。
「マイクロコピー」とは、サイトのデザインやテキストなどのちょっとした工夫箇所のことです。ちょっとした工夫……これが、意外と大きな成果に結びつくのです。
マイクロコピーを実践すれば、売り上げが簡単に1.2倍から1.5倍になります!
「そんな簡単に売り上げが増えるわけがない」と考えている方もいらっしゃると思うのですが、本当の話です。しかも、コストがかからず短時間で実施できるすぐれものです。
それでは、このマイクロコピーの事例を、ネタバレになりすぎない程度に紹介していきます。
この書籍のポイント:マイクロコピーの事例
ここでは、マイクロコピーの2つの例を挙げていきます。
「無料」を先頭に持ってくる
無料の資料をダウンロードさせたいとき、あなたならどのようなボタンを用意しますか? ボタンの色や形の前に、ここではボタン内のテキストを考えてみます。
そうですね……「資料のダウンロード(無料)」や「資料を無料でダウンロード」などを考えた方が多いかもしれませんね。実はこうしたテキストには、有効なマイクロコピーが存在するのです。
それが次の画像です。実際の分析に使われたボタンの画像ではありませんが、イメージとしてはこんな感じです。
たったこれだけの変化です。今までは「資料」が先頭になっていたのを、「無料」を先頭に持ってきただけです。これだけの工夫で、成約率が1.5倍です。いかがでしょうか?
人間の心理として、「無料」というワードが先頭にあれば、行動を起こすハードルが下がるということなのでしょうね。無料のパワーは絶大です。
有効なマイクロコピーは、ボタン内だけのものではありません。
では、他の事例も見ていきましょう。
ボタン周りにクリックトリガーを添える
先程はボタン内のテキストに着目しましたが、次はボタン外のテキスト(メッセージ)に着目します。
ここでは「クリックトリガー」というマイクロコピーを使います。クリックトリガーとは、ボタン周辺のメッセージやイラストのことで、ユーザーの不安や疑問を減らす役割を持っています。
クリックトリガーは、ユーザーが決断を下す瞬間に、心理的な障壁を下げるためのマイクロコピーです。例えば、相手の「不安」「懸念」「疑問」を減らすためのメッセージが、それに当たります。
『Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー』 P.58
書籍にはクリックトリガーの例がいくつか掲載されていますが、ここでは書籍に掲載されていない例を2つ挙げてみます。
まずは、次の画像をご覧ください。
これは、Amazonのオーディブルのクリックトリガーです。ボタンの下に、「無料体験後は月額1,500円。いつでも退会できます。」と書かれてあります。
もし、ボタン内の「最初の1冊は無料。今すぐ聴こう。」というメッセージだけなら、2冊め以降の料金が怖くなってしまうかもしれません。しかし、ボタン下の「月額1,500円」というメッセージによって、その「わからない恐怖」を解消しています。
さらに、「いつでも退会できます。」というメッセージによって、ユーザーに「いつでもやめられる」という安心感を与えることができます。
それでは、次の画像をご覧ください。
これは、転職サイトであるパソナキャリアの無料転職サポートのクリックトリガーです。ボタン下に、「ご入力いただく個人情報は、SSL暗号化通信により守られます。」と書いてあります。メッセージの左の南京錠アイコンも良いですね。
「SSL暗号化通信」のような専門用語を使うのは極力避けたほうが良いのですが、個人情報が守られるということはユーザーに伝わりますよね。
転職サイトには本名や住所などの個人情報をたくさん入力しますから、入力した個人情報が守られていなければ非常に危険だといえます。それなのに、実際のところは個人情報が守られていなかった企業があり、大問題になりました。
そうしたことを考慮し、このようなクリックトリガーを加えることによって、安心したユーザーに行動(ボタンのクリックなど)してもらいやすくする効果が期待できます。
ユーザーにやさしいクリックトリガーは、他にもたくさんあります。
クリックトリガーには大きく分けて3種類あるのですが、それは書籍を買ってからのお楽しみです。本当はここで説明したいのですが、ネタバレしすぎるといけないので……。
総評
マイクロコピーの事例を2つ紹介しましたが、いかがでしたか?
ここで、簡単に振り返ってみましょう。
「無料」を先頭に持ってきただけです。これで、成約率が1.5倍です。
無料体験後の月額表示と、いつでも退会できることを知らせています。これによって、ユーザーの不安や疑問を減らし、登録しやすい気持ちにしています。
入力した個人情報が守られることを知らせています。これによって、ユーザーの不安を解消し、登録ボタンを押しやすい気持ちにしています。
『Webコピーライティングの新常識 ザ・マイクロコピー』には、こうした顧客(ユーザー)心理に着目したマイクロコピーがたくさん紹介されています。
したがって……
- 自社サイトやブログで商品を売っている人
- 自社サイトの会員を効率的に増やしたい人
- メルマガの読者を効率的に増やしたい人
こうした方々には強くおすすめできるので、ぜひ読んでいただき、成約率のアップにつなげてほしいと思います!
- 短時間で実施できる。
- コストがかからない。
- 売り上げが1.2倍から1.5倍になる。
これがマイクロコピーの魅力です!
↓この書籍のAmazonリンク
ちなみに、P.256には購入特典のURLとパスワードがあり、マイクロコピーに関する約39分の動画が用意されています。
また、株式会社オレコンによる、マイクロコピーを紹介するTwitterアカウントがあります。興味がある方はフォローしてみると良いですね。
日本ではまだマイナーなマイクロコピーですが、その効果は絶大です! ぜひ取り入れてみてください。