もくじ
はじめに
どうも! みなため(@MinatameT)です。
私はホラー系が大好きでして、ハラハラドキドキするようなアニメを見ることが多いです。
そんな私ですが、アニメ映画『竜とそばかすの姫』を視聴しましたので、その感想と考察を書きました!
アニメ情報
- アニメタイトル:竜とそばかすの姫
- 原作者:細田 守
- 制作会社:スタジオ地図
アニメのタイプ
- 難解さ:ストーリーの理解の難しさ。内容の理解が難しく、考察することが多いアニメほど5に近づく。
- テンポ:ストーリー展開の平均的な速さ。展開が速いアニメほど5に近づく。
- SF要素:ストーリーや世界観のSF要素の強さ。現実から遠いアニメほど5に近づく。
- グロ:残虐描写の多さや強さ。グロいアニメほど5に近づく。
- エロ:性的描写の多さや強さ。エロいアニメほど5に近づく。
- ギャグ:笑わせる要素の多さや強さ。ゲラゲラと笑えるアニメほど5に近づく。
以下、感想と考察です。
映画の範囲のネタバレが含まれていますので、ご注意ください!
総合的な感想
私は、このアニメから複数のメッセージを感じました。その中でも、私が特に強く感じたのは「ネット社会を知れ!」ということです。
おそらく、監督が最も伝えたかったメッセージとは異なると思いますが、私は何よりもネット社会の光と闇を感じました。
……といいますのも、ネット上での応援や誹謗中傷のシーンが強調されており、その内容がリアルで印象的だったからです。
また、ネット社会の基本(あるある)を知ることができるのも、このアニメの大きなポイントだと思います。
例えば、U(仮想世界)の中の正義の味方気取りの「ネット弁慶(ネット上では強気な態度をとる人)」であったり、ウェブカメラを通して竜の自宅を特定したりなど……ですね。
ですので、インターネットに触れる前や、触れて間もない頃に視聴しておきたいアニメだといえます。
- ネット上では応援だけではなく、誹謗中傷も多い。
- 応援している人も誹謗中傷をしている人も、当たり前だが、「人」である。画面の向こうにはどんな人がいる……?
- アンベイル(ネット上で本当の姿を見せること)にはリスクがある。
- ネットを通して、人を救うことも傷つけることもできる。
こうしたことが伝わりましたが、いかがでしょうか?
尺が足りない
これは他の方もおっしゃっていたのですが、内容に対して上映時間が短かった気がします。
急展開が多く、突然のことに「?」となったシーンがいくつかあったからです。一部のシーンでは、キャラクターの心情の変化に追いつけませんでした。
それと、後日談も見てみたいと思ったからです。
- 竜の家族トラブルはどうなった? そもそもなぜ虐待に? 竜の父は捕まったのか?
- すずやルカちゃんの恋愛の結末は?
- Uの未来は?
こうしたことが気になったまま、終わってしまいました。
全12話アニメの、第10話ぐらいのきりの良いところで終わった感があります(苦笑)。あと30分くらいあれば、よりよい作品になっていたと思います。
上から目線で、すみません……。
専門用語の説明はあるが、やや駆け足
見出しのとおりです。
序盤に「U」や「As」などの説明がありましたが、理解力が低い私は専門用語の整理に時間がかかりました(笑)。
また、私は大丈夫だったのですが、インターネットに関する知識がないと、一部の場面が理解しづらい印象を受けました。
「アンベイル」については、ネットに慣れている人や英語がわかる人は理解できたと思いますが、そうじゃない人は「ちょっと何言ってるかわからない」状態だったかもしれませんね。
前述のとおり、映画自体の尺が足りていない気がしますので、説明部分は簡潔にササッと終わらせる必要があったのでしょう。
まあ、専門用語はそこまで重要ではありませんので、理解できなくても大きな問題はなかったと思うのですが……。
作品にピッタリのナチュラルな声
深夜アニメのキャラの声に慣れていると違和感に襲われるかもしれませんが、キャラクターはナチュラルな声をしています。悪く言えば「棒読み」と言われる演技ですね(汗)。
実際のところ、プロの声優さんは起用されていません(間違っていたらすみません。)。
そのため(と言ったら失礼かもしれませんが)、俗に言う「アニメ声」が苦手な人にとっては、安心して聞けるような声です。
また、この自然的な声と素朴な絵がマッチしており、個人的にはピッタリの組み合わせだと思いました!
特にルカちゃんの声は予想よりも一般庶民感がありましたので、親近感がわきました(笑)。
人間の汚い面が伝わる
悪い評価に見えるかもしれませんが、これも良い評価です。
リアルな話として、ほとんどの人の心は多少汚れているものですよね。
このアニメでは、ネット上の誹謗中傷を中心に、人間の汚い面を見ることができます。
正直なところ、胸糞悪いような場面もありましたが、そうした真実を堂々と見せることの「美しさ」も感じました。
綺麗事ばかり言っている人はうさんくさく見えますが、裏表のない人はいい人に見える感じですね(笑)。
悪いウワサに便乗した誹謗中傷、手のひら返し、上から目線、嫉妬、正義の味方気取り……そうした悪い面が包み隠さず表現されているのが、魅力的だと感じました。
主人公のすずは保護者目線で見るべき
高校生といえば、メンタルが大人になりきっていません。
そのため、軽い反抗期的な言動であったり、突然泣き出したりするなどは、珍しいことではないと思うのです。
ただ、そうした態度を子供(特に小学生など)が理解できるかといえば、難しいかもしれませんね。
私のような大人だと、保護者目線といいますか(笑)、すずのことを理解してあげられると思います。
ただ、すずのことがあまり理解できていない人でも、終盤の現実世界の竜を守るすずは「超かっこよかった」と感じたのではないでしょうか?!
あのシーンはけっこうお気に入りなんですが、あのときのすずの強い意志は、Uがなければ得られていなかったと思います。
そう考えると、人間は仮想世界を通して成長できることもあるものなんですね!
正義と悪を疑え
世の中には、正義と悪(といわれているもの)がありまして、これは人間が勝手に作り出しているだけですよね。
そのため、人によっては正義や悪の意味が異なることもよくあります。
だからこそ、「みんなが悪者だと認定しているから、あの人は悪者に違いない!」と思うのではなく、自分の頭でよく考えて、正義と悪を見分けることが大切だと思いました。
これは、竜がU(仮想空間)を荒らしていたときに、すずが感じたことの1つに近いのかもしれません。
すずは(竜に対して攻撃的な)周りに流されることなく、竜の心の闇を察知して守ろうとしました。
その結果、現実世界の竜を救うことができました。
後日談が気になるところですが、おそらく、すずや竜にとって良い方向に進んだと思います。
そうじゃなければ、報われませんよね(笑)。
あと、Uにいた警察代わりのような集団については、正義を振りかざした独裁政治に近い状態になっていましたね。
Uのルールのことはよくわからないのですが、あの状態が続くと危険だと思います。
なぜなら、「自分たち(の集団)が絶対に正しく、従わない人は悪だ!」となり、As(アバター)たちの自由が侵害されるリスクがあるからです。
そうした過度な統制は、本当に正義なのでしょうか……?
集合体恐怖症の人への配慮があった?
私は集合体恐怖症なので、そうした観点のことも書いておきます(笑)。
すずのそばかすについては、色が薄いのであまり気になりませんでした。しかし、すずのAsであるベル(Belle)のそばかすについては、濃くて気になるレベルでした。
おそらく、私以外の集合体恐怖症の方もそう感じたと思います。
ですが、ベルの顔のそばかすがドアップになるのは3回くらいだったと記憶していますので、集合体恐怖症の私でも問題なく視聴できました。
もしかすると、集合体恐怖症の人への配慮があったのかもしれませんね。
竜の正体予想は……
私は竜の正体をまじめに考えていました(笑)。
すでに登場しているキャラクターの中では「しのぶくん」が怪しいと思っていたのですが、答えは関東在住のイケメンボーイでした。
ご存知のとおり、竜の正体が途中から急に出てきた少年だったので、答えの当てようがありません。正解できるわけがありません。
もちろん、竜の正体を当てるのが目的のミステリー映画ではないのですが、やっぱり、正体を当てたくなるものだと思うのです。あなたも、竜の正体を当てたい気持ちになったことでしょう(圧)!
ですので、正体が判明したとき、「こいつが竜の正体だったのか! やられたぜ!」という感じにはなりませんでした。
私個人としては、竜の正体に驚き(衝撃)を感じたかったのが本音です。
竜の背中のあざについて
ベルは、竜の「背中に」あざができていると思っていましたが、あれはどう見ても「マントが」ボロボロになっていませんでしたか?
私の見間違いなのでしょうか?
ベルが「背中のあざが……」と言うたびに、私は「マントじゃなくて?」と思っていました(笑)。
まあ、虐待によるダメージを実際に受けていたのは背中なのですが……。
現実世界の竜に会うまでがスムーズだった
これは尺の都合が大きいと思うのですが、竜の自宅を特定してすずが向かうまでの流れが、かなりスムーズでしたね。
非常にラッキーだったといえばそうなのですが、もうちょっと苦戦している様子も見たかったです。
私は「竜にやっと会えた!」という感情よりも、「竜に会うの早っ!」という感情が強かったのですが、あなたはいかがだったでしょうか?
まあ、終盤はすずの成長(回復)が最大の見どころなので、竜に会うまでの過程はそこまで重要ではないとは思うのですが、ちょっとだけ気になってしまいました。
個性的な歌
歌がけっこう独特でして、特に序盤の楽曲は、ボーカル部分のリズムが難しいと感じました。
それと、歌そのものはちょっと神秘的で物悲しい印象を受けました。
歌声には「儚さ」があり、その中に隠れた芯の強さのようなものも感じました。
特に終盤の大合唱では、すずの力強さに圧倒されました。
あの大勢のAsの前で歌えるのは、相当強いメンタルがないとできませんよね! 「成長したな。……すず。」と褒めてあげたいです(保護者目線)。
あと、これは完全に私の趣味ですが、すずのきれいな歌声で、ヘヴィーメタルの楽曲も聴いてみたいと思いました。
続きを予想!
順当にいけば、すずとしのぶくん、ルカちゃんとカミシンが結ばれると思うのです! 竜の親父は逮捕です(笑)!
Uについては、あのアンベイル + 大合唱の後であっても、大きな変化は起きていないと予想します。
なぜなら、Uの運営が放任主義であり、システムを変えるようなことはしないと思うからです。
さすがに、警察沙汰になったら変わると思いますがね(笑)。
まとめ
このネット時代に必要な「問題提起」がされているアニメ映画です。
応援や誹謗中傷、ネットを通した問題解決など、ネット社会の基本について勉強できることは多かったですね!
また、主人公・すずの成長(回復)も注目ポイントです。
母と悲惨な別れ方をして病んでしまった状態から、大勢の人たちの前で歌えるようになりましたよね!
「続きをもっと見たかった!」というのが私の本音でして、そう思えるほど良い内容でした。
以上、アニメ映画『竜とそばかすの姫』を視聴した感想と考察でした!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
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