はじめに
どうも! みなため(@MinatameT)です。
この記事では、文章を毎日作っているブロガーの私が、ちょっと気になってしまう日本語表現を紹介しています。日本語として間違っていない表現も含まれています。
私は日本語に強いこだわりをもっていますから、一般人から見ると「ウザい指摘」になっている可能性が高いです。
しかしながら、毎日文章を作るブロガーやライターの人にとっては、役立つ情報だと思っています。ぜひ、参考にしてください。
ただし、私が気になる日本語表現を、自身で絶対に使わないというわけではありません。その理由は、細かな感情表現に便利な場合があるからです。
それに、言語は時代とともに変化していくものです。例えば、平安時代(西暦1000年あたり)の人たちが現代にタイムスリップしてきたとすると、私たちとの会話は成立しません。使っている言葉も発音も違うからです。
そのため、現時点ではおかしな日本語であっても、数年後には正しい(とされる)日本語として普及している可能性があります。
それでは、本題に入っていきます!
現役ブロガーがちょっと気になる日本語表現
言葉を使う
私が子供の頃に、「言葉使い」ではなく「言葉遣い」が一般的によく使われる……と教わった記憶があります。
そのため、「言葉を使う」ではなく「言葉を遣う」が正確な日本語表現だと思っていました。
しかし、ネットで調べたところ、「言葉を使う」でも問題はないという情報を見つけました。
さらに、「言葉使い」はただ言葉を使うだけで、「言葉遣い」は相手へ配慮して言葉を遣う……というニュアンスの差もあるようです。
これからは、意識して使い分けていきます。言語の世界は奥深いですね。
語彙力
「語彙力」は個人的にちょっとだけ気になっていましたが、全く問題のない日本語表現です。
語彙とは、ある人が知っている単語の集まりです。ボキャブラリーともいいます。知っている単語が多い人は、「語彙が豊富な人」といわれます。
語彙力とは、語彙を活かす能力のことです。語彙の量が同じ人を集めたとしても、語彙力には個人差があると考えられます。
この間違え
「間違え」は名詞ではありません。動詞の一部として「~を間違える」というふうに使います(例:機械の操作を間違える。運ぶ商品を間違える。)。
名詞として使う場合、正しくは「間違い」です(例:聞き間違い、言い間違い、見間違い、間違い電話)。
難しい話ですが、転成名詞は基本的に自動詞から作られるためです。「間違う」は自動詞ですが、「間違える」は自動詞ではありません。
ネットに落ちている
ネットにはデータが落ちているのではなく、上がっているのです。
これについては、「ダウンロード」と「アップロード」の意味を考えると理解しやすいです。
ダウンロードとは、ネットに上がっているデータを受信することです。「下り(くだり)」ともいいます。また、ダウンロードすることを「落とす」ともいいます。
アップロードとは、ネットにデータを送信することです。「上り(のぼり)」ともいいます。また、アップロードすることを「上げる」ともいいます。
これらの言葉から、私たちとネットの上下関係が理解できたと思います。
全然大丈夫
基本的に、「全然~ない」という否定の形で用いますので、違和感は少しあります。
しかし、「全然大丈夫」、「全然OK」といった使い方は、日本語として間違いではないようです。
あの夏目漱石さんは「全然悪い」という表現をしており、否定の形に限定されていないことがわかります。
寝落ち
オンライン接続中につい眠ってしまうことで、通信が不本意に切断されるようなことを「寝落ち」といいます。「寝る + 回線落ち」ですね。
例えば、オンラインゲームのチャット中に眠ってしまい、チャットが中断されることも「寝落ち」に含まれます。
しかし現在は、「眠りに落ちる」と混同されたのか、作業中に眠ってしまうことを寝落ちと表現することがあります。
前述の通り、言葉は時代とともに変化していきますから、これも正しい言葉遣いとして普及していくのだと思います。
違和感を感じる、犯罪を犯す、被害を被る
これらの重複したように見える表現は、日本語的に間違いではないとされています。「違和感を感じる」、「犯罪を犯す」、「被害を被る」といった表現は、実際によく使われていますよね。
しかし、違和感は「感」がすでについていますから、「もつ」、「覚える」、「抱く」を使ったほうが、スマートに見えます。
このようなスマートな言葉選びは、個人の言語センスが試されます。私なら、違和感をもつ、犯罪をおこなう、被害を受ける……としますが、こうした言葉選びは筆者の自由です。
私のように言葉選びを追求していくのも良いですが、神経質になりすぎると疲れてしまいますね。
頭痛が痛い、馬から落馬する、日本へ来日する
これらは重言(じゅうごん)といって、言葉の意味が重複している表現です。人によっては禁止している表現方法です。
「頭痛がする」だけで頭が痛いのは伝わりますし、「落馬した」だけで馬から落ちたことはわかります。
このように、重言は無駄のある表現に見えます。しかし、表現を豊かにするためにわざと使うケースもあります。
例えば、「頭痛が痛い」を「ズキズキとした頭痛が昨日から痛い」とすることで、痛みを強調しています。
「暴れた白馬から急に落馬する」なら、馬から落ちた印象が強調されます。
「大好きな日本へ再び来日することができた」なら、待ち望んでいた来日という印象が強調されます。
これらの印象例は私個人の主観ですから、「そうは思わない!」という意見があるのは当然です。そうした言語センスの違いがあるのは、なかなか面白いことだと思っています。
※ここでいう「言語センス」は言語能力の優劣ではなく、言語に関する個性という意味です。
比例、反比例
これらの数学上の意味を考えると、2つの意味での誤用が目立ちます。
1つめは、比例の対義語として反比例を使っていることです。2つめは、比例と相関関係を混同していることです。
- 夏は暑さに比例してドリンクが売れる。しかし、暑さに反比例して食欲が落ちる。
- 年齢に反比例して体力が落ちてきた。しかし、年齢に比例して健康意識が高まった。
何を伝えたいのかはわかりますが、私は誤用が気になってしまいます。これらを私なりの正しい言葉遣いに変換すると、次のようになります。
- 夏は、「暑さ」と「ドリンクの売れ行き」にプラスの相関関係がある。「暑さ」と「食欲」にはマイナスの相関関係がある。
- 「年齢」と「体力」にはマイナスの相関関係があり、体力が落ちてきたと感じる。「年齢」と「健康意識」にはプラスの相関関係があり、健康意識が高まってきたと感じる。
間違ってはいませんが、やけに堅苦しい印象があります。そこで、数学用語を使わないように変換するとしましょう。
- 夏は暑いほどドリンクが売れやすく、食欲は落ちやすい。
- 歳を重ねるほど体力が落ちてきたが、健康意識は高まってきた。
こちらのほうが伝わりやすいと思います。バカ真面目に数学用語を使う必要はありません。
ちなみに、比例や反比例は「2つのものの間の正確な増減関係」を表します。
例えば、比例なら、温度が1 (℃) 上がると、ジュースの売り上げ数は1万本増える……という決まった関係です。それにばらつき(例:8000本や12000本のとき)があるのなら、比例ではなく「相関関係」になります。
また、プラスの相関関係は、一方が増えるともう一方も増える傾向にあるもので、マイナスの相関関係は、一方が増えるともう一方は減る傾向にあるものです。
反比例とは、一方が2倍になるともう一方は1/2倍になり、一方が3倍になるともう一方は1/3倍になる関係です。
ぜひ、覚えておいてください。
既視感
これを「過去にどこかで見た覚えがある」という意味で使っている人がいますが、誤用です。
本来は、「過去に一度も体験していないのに、なぜかどこかで体験していたように感じる」という意味です。この「過去」は、過去はもちろんのこと、夢や想像も含みます。
したがって……
- この公園に既視感があると思ったら、数日前に見た夢の風景にそっくりだった。
- この既視感は、大人気ゲームの新作の発売日に見た長い行列と一致した。
このような例は誤用だといえます。
女の子
私は、成人女性を「女の子」と呼ぶことには反対の立場です。なぜなら、「子」は「子供(守られるべき存在、弱者)」というニュアンスが強いからです。
つまり、成人女性を女の子呼びするのは、その女性を見下していることに等しいと考えています。私は人権問題に関心をもっていますので、そうした(多くの人が気づかないであろう)差別は見逃せないのです。
しかし、男子トイレ、男子マラソン、女子アスリート、女子アナウンサーというように、子供に限定しない場合でも「子」という漢字を使うことがあります。
それを踏まえると、「女の子」は「女の人」と同じ意味で使える……といきたいところですが、違和感が残ります。
個人的な感情ですが、私は「未成年」と「成人」をはっきりと区別して呼びたいのです。
例えば、30代の男性が20代の女性のことを「女の子」と呼ぶのは、その女性に失礼だと考えているからです。そのため、私は未成年の女性には「女の子」、成人女性には「女性」という呼び方を徹底しています。
ちなみに、「少女」は小学生から高校生ほどの年齢の女の子を指します。私はこちらの言葉を用いることもあります。
ホームページ
これは、誤用が普及している言葉です。個人的に少しだけ気になります。
現在はサイト全体を指したり、サイトのトップページのみを指したりするようですが、本来は「ブラウザーを起動したときに表示されるページ」という意味です。
そのため、例えば「会社のホームページ」ではなく「会社のWebサイト」が正確な表現です。
それと、ホームページをHPと略す人がいるのですが、これはややこしいのでやめてほしいです。ゲームのヒットポイントのことなのか、企業のヒューレット・パッカードのことなのか……と混乱します。
タイマ、メンバ
日本語というよりもカタカナ語ですが、個人的にこれは許容できません。
初めて「タイマ」や「メンバ」という言葉を見たとき、その意味が理解できませんでした。「大麻って……なんでいきなり?」、「麺場って、どこかのラーメン店の名前?」とか思っていたわけです(笑)。
正しくは、タイマー(timer)とメンバー(member)の略です。
理工学系や情報系の業界人は、風習とはいえ、「長音省略」をやりすぎる傾向があります。コンピュータやエンジニアなら、まだわかります。しかし、タイマやメンバはダメです。アウトです。
意味は理解している現在であっても、私の脳が受け付けてくれません(笑)。会話では伸ばす発音だからですね。
※「麺場」というラーメン店は、実在するようです。公式サイトはこちらです。
爆笑する
爆笑とは、大勢の人が大声で笑うことです。そのため、「1人で爆笑」とは言いません。
しかし、大笑いを超えた笑いを表す言葉として「爆笑」が普及しており、このような指摘は無駄に思えます(笑)。
ギガ
データ通信量の単位として、「GB(ギガバイト)」が使われています。
この単位は、B(バイト)という単位に、SI接頭辞であるG(ギガ)をくっつけたものです(キロは0が3個分、メガは0が6個分、ギガは0が9個分ですね。)。
単位として「ギガ」と呼ぶのは全然問題ないと思いますが、データ通信量そのものを「ギガ」と呼ぶのはおかしいです。
例えば……
- センチいくつ? = 身長いくつ?
- 東京までのキロが長い! = 東京までの距離が長い!
- この水筒にはいっぱいミリが入る! = この水筒にはいっぱい水が入る!
これくらい違和感があります。
まあ、「ギガ」は(個人的に)響きがいいですし、短いのでパッと言いやすいとは思います。
しかし、「ギガがもらえる」とか「ギガがない」といった、意味不明な言葉遣いには賛成できないのが本音です……。
そのうち、「テラ」にレベルアップするのでしょうかね(笑)?
ご苦労さまです
「ご苦労さまです。」は、自分よりも立場が低い人へ使う言葉です。
そのため、目上の人に「ご苦労さまです。」と言うのは、失礼にあたります。
「お疲れさまでした。」なら問題ありませんので、こちらを使うようにしましょう。
おわりに
……ということで、お疲れさまでした。簡潔に説明したつもりですが、長くなってしまいました。
言葉は人になにかを伝えるためのものですから、「読者に伝わるのなら、日本語の表現なんてどうでもいいじゃん!」という考えは理解できます。しかし、それは簡単な話ではありません。
「自分の伝えたいことを文章化して読者に伝える」というのは、案外難しいことなのです。ですから、正確でわかりやすい文章を作る能力……これを、鍛えていってほしいと思っています。
それだけではありません。
正確で無駄のない(無機質な)文章では、個性が主張しづらいです。学校の作文や学術論文ではそうした文章を作るのが望ましいですが、ブログ記事やツイートでは違います。
求められているのは「情報のわかりやすさ」ですが、筆者の「個性」が含まれていないと非常にもったいないからです。
そこで、「重言」や「話し言葉」といった、日本語の文章として微妙な表現を、あえて入れてみましょう。そうすることで、「いい感じの無駄」が生まれて、他人との差別化が成功しやすくなりますよ!
最後になりますが、どのような文章を作るのかは筆者の自由です。それでは、個人の言語センスをフル解放した、素敵な文章作りに挑戦してみてくださいね!
ウザい指摘もあったかもしれませんが、あなたの日本語表現の参考になったのなら幸いです。