もくじ
概要
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どうも! みなため(@MinatameT_Games)です。
この記事では、自作のPCゲームのデモ版(体験版)をSteamで公開して、Steam Nextフェスに参加するまでにやったことや苦労したことを紹介しています。
対象のゲームは『Necro Genesis』です。
私の場合は、残念ながら労力に見合わないリターン(結果)となりましたが、この記事がこれから「PCゲームのリリースに挑戦してみたい!」という創作エネルギーにあふれている人たちの参考になれば幸いです!
Steamworksへの登録
まず、SteamでゲームをリリースするためにはSteamworksのアカウントを取得する必要があります。
そのため、ネットで必死に調べながらSteamworksのアカウントを取得しました。
ここまではわりと順調といいますか、個人情報などの入力部分でわからないところは対話式AIに質問しながらやっていけば、なんとかなりました。
この段階で行き詰まった記憶はありません。
ただ、ゲームをリリースするためには1本あたり100ドル(約15,000円)をValve(Steam運営)に先払いしなければならないので、自分の銀行口座に十分なお金を入れておく必要があります。
SNSアカウントの開設とPR活動
Steamでゲームの登録ができるようになりましたので、PR活動のためにゲーム運営アカウントを旧Twitterで新規作成しました。
ただ当時は、まだゲームのストアページすら用意できていない状況だったので、とにかく「今はこういうゲームを作っていますよ!」とか「体験版のリリースに向けて準備していますよ!」といった活動報告のツイートをしていました。
新規アカウントなのでフォロワー数は自分の別アカウントを除き0でしたが、それでもゲームやそのビジュアルに興味をもってくれた人がたまに現れて、「いいね」やコメントを残していってくれるものだと期待していました。
しかし、現実は残酷なことに、自演以外の「いいね」が完全にゼロ……無風でした。
悲しみゆえの誇張ではなく、本当にいいねがまったくつかないんです。
そういうこともあり、私のゲームアカウントのほう(ゲーム運営としてではなくゲーマーとしてのアカウント)はその当時でも1,000人以上のフォロワーさんがいらっしゃったので、運営アカウントでの投稿をリツイートして知名度アップを狙いました。
既存のフォロワーさんに手伝ってもらう作戦です。
さて、ここでクイズですが、その投稿はリツイートによってどのくらい「いいね」が増えたと思いますか?
……答えはゼロです。
普段の私の投稿(リズムゲームのリザルトやイベラン結果のスクショなど)には10前後の「いいね」がつくのですが、その投稿のリツイートだけは「まるで誰も見えていなかったかのように」触れられませんでした。
まあ実際には100くらいインプレッションが増えたのでフォロワーさんにも表示はされていたのですが、皆さん、ご興味がなかったのでしょう。
なお、DMでフォロワーさんに個別でご協力を依頼する作戦も有効だとは思ったのですが、自分がやられたら「営業かよ……」となるので、やりませんでした。
そういう感じで、幸先のだいぶ悪いスタートとなりました(汗)。
製品版のストアページの作成
さて、実際にゲームをSteamでリリースするためには、ストアページを作成する必要があります。
重要な点として、ストアページを公開するためにはValveの審査が必須なので、ふざけたことは書けません(笑)。
そこで、ゲームの説明文を入力したり、アセット(ゲームの画像)を用意したり、レーティングを決めるためのアンケートに真面目に回答したりなどして、2025年10月21日にストアページをValveに提出(審査申請)しました。
その5日後の10月26日に、残念ながら審査不合格の通知がメールで届きました。
不合格の理由をざっくりまとめると、次のとおりでした。
- ゲームのスクショ(5枚中1枚)に性的内容が含まれているのにもかかわらず「全年齢向け」となっている。
- 「全年齢向け」のスクショ枚数が5枚以上必要なのに、4枚しか用意できていない。
- アーリーアクセスについての一部質問への回答が不十分。
まあ、アーリーアクセスの回答については正直なところ手応えがなかったといいますか、「この回答内容で大丈夫かな?」と不安になっていたので、納得はできます。
ただ、スクショが不合格になった件については未だに納得ができていません。

こちらの画像ですが、どこが全年齢対象ではないというのでしょうか?
もしゾンビの水着姿がアウトというのなら、公共の場で水着姿を見せるのがよろしくないということになってしまいます。
こういう西洋風ポリコレ(倫理規範)のふざけた基準を押し付けられると非常に萎えますが、こちらはプラットフォームを借りている立場なので、仕方がなく従い、その日のうちに再提出しました。
その5日後の10月31日、また不合格の通知が届きました。
今回不合格になった理由は、アーリーアクセスについての回答で「will」を使っていたことです。
私は今まで「be going to~」が予定を約束し、「will」は「こうできたらいいな」というニュアンスで使い分けると思っていたのですが、どうやら「will」も予定を約束するニュアンスになってしまうようです。
「具体的なことをユーザーに約束しないでください」とか「ユーザーにゲームの将来について賭けをするのはやめましょう」などと、Valveにメールで長々と注意されてしまいました(汗)。
単に英語が苦手で細かいニュアンスが伝えられなかっただけなので、そんなに長々と説教臭く言われても困ります(笑)。
そこで、問題の部分を「plan to~」の形に言い換えて再提出したところ、11月8日にストアページの合格通知が届きました!
これでようやく、ストアページの公開ができました。
デモ版のストアページの作成
私は製品版のストアページさえ公開できれば、デモ版のストアページを作る必要はないと思っていたのですが、どうやらデモ版を公開する場合はデモ版のストアページの作成も必須のようです。
そこで、製品版のストアページの作成と同じ要領で必要事項の入力やアセット(画像)の準備をして、11月8日に審査へ提出しました。
すると、11月13日に不合格通知が届きました。
その理由は「アセットのロゴがDEMO版限定の帯に隠れてしまい、読めなくなるから」というものでした。
これはどういうことかと言いますと、次のようなアセットがあるとします。

「Necro Genesis」というロゴがはっきりと見えており、問題がないように見えます。
しかし、DEMO版限定の帯(Valveが勝手に上乗せするデザイン)がつくと、次のようにロゴが隠れてしまうのです。

これが不合格になった理由です。
初見殺しな後出しジャンケン感がありますが、まあ指摘そのものは妥当なのでロゴの位置を右にズラして再提出したところ、11月18日に合格通知が届きました!
……ということで、もしデモ版を用意するつもりがある方は、アセットのロゴが左上の帯で隠れないように注意深くデザインしてください。

一発で合格させてはいけないルールでもあるんでしょうか(笑)?
デモ版のビルドの用意
デモ版のストアページと並行して、ビルド(ゲームそのもの)の申請も11月8日に提出しました。
すると、11月15日に不合格通知が届きました。
今回不合格になった理由は次のとおりです。
- アンケートには「一部のヌードまたは性的表現」、「性的、または極めて攻撃的な言葉遣いを含むセリフ」、「特定の集団に向けられた差別的、または憎悪的なメッセージ」が含まれると回答されていましたが、こちらでそれらの要素を確認することができませんでした。
アンケートというのは、ゲームのレーティングを決めるためのものです。
私はストアページの件でValveがポリコレに染まっていることはわかったので、自分の基準ではなく、忖度してかなり厳しい基準でアンケートに回答しました。
しかし、今回審査を担当なさった方はそうした要素が見つけられなかったということだったので、私は次のように返信しました(実際に送信したメッセージは英文です。)。
- 一部のヌードまたは性的コンテンツ:オプション画面の背景画像が性的だと判断しましたので、~という操作手順で確認してください。
- 性的で極めて不快な言葉を含むダイアログ:ステージ2の楽曲の歌詞(日本語)の中に、問題となるような表現が含まれています。
- 軽蔑的または憎悪的なメッセージ:軽蔑的または憎悪的なセリフを発するキャラクターを今後実装する予定なのですが、デモ版には含まれていないため、チェックを外しておこうと思います。
これを送信してから、担当者さんからのご返信を待っていたのですが、1週間待っても音沙汰がありませんでした。
不安になったのでネットで調べたところ、2週間くらい待たされる場合もあるとのことだったので、忍耐強く返信を待つことにしました。
そして11月29日、ようやく返信をいただきましたが、なんと合否ではなく「追加情報をご提供いただきありがとうございます。準備が整い次第、アプリを再度審査キューに追加してください。」というものでした。
「それならもっと早くそう言ってくれよ! こっちは2週間くらい待っていたのに!」とキレそうになりましたが(笑)、怒りを抑えてその日のうちに再提出しました。
すると、12月5日に2回めの不合格通知が届きました。
今回不合格になった理由は次のとおりです。
- 一部のヌードまたは性的表現:抽出された画像アセット内にヌードを含むものが複数確認されましたが、ゲーム内の「どの場面で表示されるのか」を確認できませんでした。
- 性的な言葉遣いを含むセリフ:タイトル画面で再生される楽曲内に、性的表現を含む言葉を確認できませんでした。
性的な画像については前回の返信で操作手順を説明したのですが、あまり伝わっていなかったようなので、パワポで詳細な操作手順の資料(文字の大きなスライド)を4枚作成して、すべて添付しました。
また、性的な歌詞が含まれる楽曲が流れるのはタイトル画面ではなく別の場面(ステージ2)だったので、「おっしゃるとおり、タイトル画面の楽曲にはそのような歌詞が含まれていなかったので、チェックを外しました。」とアンケート回答のチェックを外してから返信し、再提出しました。
※本当は「ステージ2の楽曲の歌詞をよく確認してください!」と伝えるべきだったのでしょうが、前回の返信でちゃんと「ステージ2の楽曲」と伝えているのにもかかわらず「タイトル画面の楽曲」と言われたのなら、「じゃあもう細かいことを指摘するのはいいや」ってなりますよね(笑)。
そして、その1週間後の12月12日に、なんと3回めの不合格通知が届きました(汗)。
もう勘弁してほしいと思いつつも不合格の理由をチェックしたところ、次のようなものでした。
- このゲームには頻繁なヌードまたは性的表現が含まれていますが、アンケートでは該当項目にチェックが入っていませんので、チェックを入れてください。なお、体験版で実際に使用されていないアセットであっても、ゲームファイル内に含まれているすべての素材を審査対象として確認します。
態度が悪くなりますが「は?」という感じです。
だって、これまでのやり取りでは全然そんなことを指摘されなかったのに、ここにきていきなり「アンケートに虚偽の回答がありますよ。」みたいなことを言われたら、「もっと早い段階で言ってくれよ! どれだけ合格させたくないんだよ!」となりますよね。
まあ、今回はアンケートの回答を変更するだけなのでやるべきことは明確かつ簡単なのですが、こうして非効率的で遅延行為ともいえるようなブルシットなやり取りをさせられたら、さすがにイライラしますよ……。
そういうことで、アンケートの回答を変更して再提出してから「審査ありがとうございます。ご指導いただいたとおり、アンケートの回答を修正して再提出させていただきました。」と返信しました。
しかし、その返信から2週間ほど経ってもValveからの返信が届かなかったので、一度Valveに「審査の進捗はどうでしょうか?」とメッセージを送信しようか迷ったのですが、あまり急(せ)かすのは好きではないので、もう少し待つことにしました。
そして返信が届かないまま年が明けて、2026年1月16日にSteamworksの管理画面を確認したところ、なんとビルドが合格していることが発覚しました!
私はこのとき、「あれ? Valveからのメッセージの通知メールが届いていなかったからすぐに気づけなかったなー」と思い、Valveとのやり取りのページを確認したところ、なんとメッセージは何も届いていませんでした。
それどころか、メッセージがこれ以上送信できないように、やり取りが勝手に終了扱いされていました。
あのー……これは不誠実と言わざるを得ない対応だと思います。
「ビルドが承認されました」といったメッセージとその通知メールを、これまでのやり取りと同じように送るべきではないでしょうか?
私がほぼ毎日Steamworksのページをチェックしていたから合格に気づけたものの、メールの受信ボックスだけを確認していたら絶対に気づけませんでしたよ……。
最終的には合格したので良かったのですが、デモ版のビルド初回提出(2025年11月8日)からその合格(2026年1月16日)までに2か月以上かかったという、とんでもなく遅い進展で疲れました。
ここまで説明してきたとおり、Valveの対応も褒められたものではなかったので、その点でも疲れました(苦笑)。

ゲームを個人で完成させられる精神力のある人でも、メンタルがかなり消耗させられるレベルです。
おまけ:Steam Nextフェスへの参加
こうして多大なストレスを乗り越えて、製品版のストアページ、デモ版のストアページ、デモ版のビルドが承認されて、Steam Nextフェスへの参加資格を満たすことができました!
Steam Nextフェスとはリリース前のゲームの宣伝イベントのようなものであり、ここでゲームのウィッシュリスト(ユーザーによる「お気に入り」のような機能)の増加を狙います。
ウィッシュリストの登録数が増加することで、そのゲームがSteamのアルゴリズム的に有利になるというメリットがあります。
SNSでいうところの「フォロワー数」、YouTubeでいうところの「チャンネル登録者数」、ブログでいうところの「ドメインパワー」みたいな感じです。
ではここからは、私がSteam Nextフェスに参加して気付いたことやデータを紹介していきます。
まずはデータからですが、フェス開始までのユーザー数と平均プレイ時間は計測していなかったのでわかりません……。
| ウィッシュリスト登録数 | ユーザー数 | 平均プレイ時間 (分) | |
| フェス前日 | 124 | – | – |
| DAY1 | 174 | 20 | 21 |
| DAY2 | 204 | 28 | 16 |
| DAY3 | 218 | 34 | 14 |
| DAY4 | 219 | 35 | 14 |
| DAY5 | 225 | 39 | 13 |
| DAY6 | 231 | 39 | 13 |
| DAY7 | 231 | 40 | 13 |
結果として、ウィッシュリスト登録数は124から231に増加したので、伸び率 (%) としては悪くないものの、絶対数が少ないまま終わってしまいました。
個人的には1,000くらいを目指したかったのですが……。
また、「フェスの序盤にしか伸びない」というのがはっきりとわかりました。
それと、Steamworksの画面でフェスのまとめ(次の画像)を確認したところ……

……なんすかこれ?
フェス期間中に遊んでくれたのは23人で、ゲームを実際にプレイしてからウィッシュリストに追加してくれた人は誰一人いませんでした。

こんな「さざなみ」では、さすがに悲しすぎます。
フェスというのは加速装置であって起爆剤ではない……つまり、ウィッシュリスト登録数を増やすのを多少手伝ってはくれますが、魔法のように劇的に増えるということはないっていうことですねー。
そもそも、フェスはもとからウィッシュリスト登録数が多いゲームほど有利で、100前後の弱小ゲームに勝ち目はほぼないというのが定説のようです。
フェスのウィッシュリストへの効果について調べると、「フェスに参加したらウィッシュリストが6,000を超えました!」とか「フェスのおかげでウィッシュリストが3,500くらい増えました!」みたいな記事が出てくるのですが、無名なゲーム開発者さんはこういうのに騙されないでください!
フェス期間でウィッシュリスト登録数が3,500も増えたり、合計が6,700を超えたりというのは、フェス参加前からそこそこ大きな数値(1,000以上)をもっていた「強者」だからです。
私たちとは資本力や知名度などが大きく異なります。
結局のところ、旧Twitterのフォロワー数やYouTubeのチャンネル登録者数のように「数値こそパワー」というシステムになっている……その無慈悲なリアルを直視しなければいけないわけです。
ですから、無名なゲーム開発者さんが「よーし! Steam Nextフェスに参加してバズっちゃうぞー! 目指せ、ウィッシュリスト10倍だ!」と夢を見ているのであれば、ちょっと冷静になっていただきたいのです。
本当に厳しいことを言いますが、決してそういう甘い世界ではありません。
私にもクリエイターとしてのプライドがあるので「私は敗けておりません!」と言いたいところですが、フェス後のウィッシュリスト登録数が200~300の範囲というのは、客観的に爆死圏内と考えるのが妥当です。
もし、一生懸命作ったゲームがフェスという大舞台でもあまり多くの人の目に触れることなく埋もれてしまい、ウィッシュリスト登録数が300にすら届かない結果になる可能性が高いとしても頑張れる覚悟があるのでしたら、本当に応援したいと思います!
そもそも、自画自賛も含まれてしまい非常に恥ずかしいのですが(笑)、ゲームを自分の力で完成させてSteamで公開できる時点で「優秀」なので、自信はもっていただきたいと思います!
ただ、実際にSteamというフィールドがそうした優秀な人だらけ、しかも化け物もいる極めてハイレベルな戦場ですから、ただの優秀な人だとボコボコにされる……という具合です。
最後になりますが、もしよろしければ、今回爆死したゲーム『Necro Genesis』を見ていってくださると嬉しいです! 無料のデモ版も用意してあります。

くだらぬ愚痴も述べましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!




