もくじ
はじめに

どうも! みなため(@MinatameT)です。
この記事では、多くの鉄道会社が導入している「女性専用車両」の問題点について、わかりやすく解説しています。
- なぜ、女性専用車両にわざわざ反対している人がいるの?
- 女性専用車両は、痴漢対策に効果があるんじゃないの?
- 女性専用車両に男性が乗ってきたけど、逮捕されないの?
こうした疑問はすべて解消できます!
筆者の私は女性専用車両にずっと反対している立場です。
反対の理由としては、男性差別や女性蔑視の他にも痴漢対策の効果がなかったりなど……色々あります。これらは後で全部説明します。
この記事で女性専用車両の問題点をあなたに理解してもらいたいですし、女性専用車両反対派の考えていることを知ってほしいと思います。

それでは、まずは女性専用車両の「大前提」を説明します。これを知っておかないと、誤解の原因になります。
女性専用車両の大前提(ルールなど)

女性専用車両の大前提は、次のとおりです。
- 法律上もルール上も誰でも乗車することができる。
- 女性専用車両 = 女性専用車
- 関東の場合は、特定の時間帯にのみ「女性専用車」という名称が特定の車両につく。特定の時間帯を抜けたら、「女性専用車」という名称が一時的に解除される。
- 関西の場合は、常に「女性専用車」という名称の車両がある。
鉄道会社としては男性が乗れることを知られたくないため、「ご協力をお願いします。」などと言ってごまかしています。
しかし、実際のところは誰でも乗車できます。
法律上、ルール上、誰でも乗れるので、男性が乗っても逮捕されることはありません。
ではなぜ、名称と矛盾して誰でも乗車することができるのでしょうか。
それは、憲法を守らないといけないからです。
憲法は国の最高法規なので、これに反する法律や命令は無効化されます(私人間効力)。
もし、男性の乗車をルールで禁止してしまうと、男女平等に反するので憲法違反になってしまいます。
ですから、名称だけを「女性専用車」にして誰でも乗れるルールにしたのです。
「誰でも乗れるのなら、痴漢対策の意味がないじゃん!」と思ってしまいましたか?
……はい、そうです。実際のところ、女性専用車両は痴漢対策に「効果なし」です。
その理由は冷静に考えたらわかると思いますが、後ですべて説明します!

それでは、女性専用車両の問題点を確認していきます。大切なのはあなたの常識を疑うことです。
女性専用車両の問題点
男性差別(男性を悪者にしようとしている)
女性専用車両の一番の問題点は、痴漢対策ではなく男性対策(男性差別)になっていることです。
なぜなら、痴漢ではなく男性を乗せないようにしているからです。
これのどこが問題なのか、わかりますでしょうか?
例えば、あるお店で女性による万引きが多発しているからといって、女性全員の入店を拒否してはいけません。
一部の中国人のマナーが悪いからといって、中国人全員の入店を拒否してはいけません。
なぜなら、連帯責任になっているからです。連帯責任の考え方は理不尽なのでダメです。
では、女性専用車両はどうでしょうか?
痴漢のほとんどは男性ですが、ほとんどの男性は痴漢ではありませんよね。
ですから、男性を乗せないようにするのは明らかに理不尽です。

法律やルールでは、いつでも誰でも女性専用車両に乗ることができるので、女性専用車両そのものは男性差別になっていません。
しかし、男性(に見える人)に「女性専用車両に乗らないでください。ご協力を……。」などとお願いすることが、今の日本では実際にたくさん発生しています。
ごく一部の悪い男がいることで、善良な男性が連帯責任を食らっています。
これが不当な男性差別です。
こうしたあってはならないことが、日常的に発生しているのです。
「痴漢対策」はしても良いですが、「男性対策(男性差別)」をしてはいけません。
男性だからという理由で排除しようとするのも、痴漢かもしれないからという理由で排除しようとするのも、男性に対して極めて失礼なことです。

この意味がわからない場合は、次の記事を参考にしてください。
ご協力をお願いされた男性の方も、「わかりました。」と差別に協力するのではなく、「男性差別はやめてください!」と抗議するくらいの人権意識は必要だと思います。

はっきり言って、今の日本で常識とされている人権感覚は一部おかしいです。
女性差別(女性を弱者にしようとしている)
女性専用車両の問題点として男性差別がよく挙げられますが、それだけではありません。
気づいていない人が多いかもしれませんが、女性差別も存在します。
女性専用車両が「痴漢被害に悩む女性のシェルター(避難所)」として存在していること自体が女性差別になっています。
その理由は、「女性は守られるべき」、「女性 = 弱者」といった差別意識をあらわしているからです。
女性は幼い子供のような弱者ではありませんので、女性を弱者扱いするのは女性に対して極めて失礼なことです。
これでは、「女性だけに優しく振る舞う男性」や「守ってもらうのが当たり前だと勘違いをする女性」が増加してしまうことになります……。

女性を弱者扱いするのはやめましょう!
不適切な表示と対応
女性専用車両のステッカーには「Women Only(女性専用)」と書いてあります。
ここまでお読みくださった方ならわかりますが、これは日本語的に「ウソ」ですよね。
こうしたウソを表示していることや、「女性専用車両にご協力をお願いします。」といった声掛けをしていることも、問題点として挙げられますね。
ルール上は「任意協力(乗るかどうかは個人の自由)」ですが、駅員さんや乗務員さんによるしつこい声掛けは、女性専用車両に乗らないように「強制」しているようなものです。
これでは男性差別の問題に加えて、「男性は乗れない」と勘違いをした乗客がトラブルを起こしてしまう可能性が生じます。
実際に、そういったトラブルはこれまでにたくさん発生しています。
それなのに、鉄道会社はこの状況を改善しようとしません……。

「専用」という言葉の意味と、「任意協力」というルールが矛盾しています。
セクシャルマイノリティーをないがしろにしている
人口の約8 (%) は「セクシャルマイノリティー」という少数派です。LGBTもその仲間です。
心の性別と体の性別が一致している方を「シスジェンダー」といい、心の性別と体の性別が一致しない方を「トランスジェンダー(T)」といいます。
人の見た目だけでは、心の性別は分かりません。……だからといって、本人に「心の性別は?」と聞くのは、本当に失礼なことですし、かわいそうです。
性差別の問題だけではなく、セクシャルマイノリティーにも考慮をすると、男性(に見える人)に声掛けをするのは不適切だといえます。
次の表はLGBTのまとめです。
名称 | 体の性別 | 心の性別 | 恋愛対象 |
シスゲイ | 男 | 男 | 男 |
シスヘテロ | 男 | 男 | 女 |
MtFヘテロ | 男 | 女 | 男 |
MtFビアン | 男 | 女 | 女 |
シスバイ | 男 | 男 | 男女 |
MtFバイ | 男 | 女 | 男女 |
シスビアン | 女 | 女 | 女 |
シスヘテロ | 女 | 女 | 男 |
FtMヘテロ | 女 | 男 | 女 |
FtMゲイ | 女 | 男 | 男 |
シスバイ | 女 | 女 | 男女 |
FtMバイ | 女 | 男 | 男女 |
痴漢対策に効果がない
痴漢被害者の大半は「10代から20代の女性」です。
しかしながら、女性専用車両には痴漢被害に遭いにくいような女性も多く乗車しているので、痴漢対策の効率が悪いです。
また、痴漢被害に遭いにくいような女性の中には、「男性の目を気にせず化粧ができる」、「居眠りしやすい」といった自己中心的な理由で女性専用車両を利用している方がいらっしゃいます。
さらに、これはあまり知られていませんが、男性も痴漢被害に遭うことがあります。
本当に痴漢対策をする気があるのなら、そうした方々のことも考慮しなければなりません。
……それ以前に、女性専用車両から痴漢を追い出したとしても、他の車両で痴漢事件が発生しますよね。
つまり、痴漢の被害者が変わるだけなので、「女性専用車両は痴漢対策に効果がない」ということがわかります。
また、女性専用車両を導入しても、痴漢犯罪の件数はほとんど変化していないようです。
これらのことから、女性専用車両は痴漢対策に効果がないことが分かります。
痴漢冤罪対策にも効果がない
男性を女性専用車両に乗せないようにしても(車両から追い出しても)、他の車両が混雑しているため、痴漢冤罪対策にも効果がありません。
女性専用車賛成派の中には、「男性にもメリットがあるのになぜ反対するのか……?」などと主張する人もいますが、男性にとってのメリットは1つもありません。
そのメリットとして「痴漢冤罪対策」を挙げる方が大半なのですが、先程も書いたように、電車の中が混雑している限り、痴漢冤罪対策としての効果は期待できません。

じゃあ冤罪対策をどうすればよいのか……ですが、これは混雑する時間帯を避けて乗車することがベストですね。
男女対立を助長する
男性だからといって悪い扱いを受けたり、女性ばかりが見下されたり……ということは、あってはなりません。
「男女平等」であるべきです。
今の日本は昔と比べたらマシという程度であって、残念ながら男女平等ではありません。

昔の日本では、男性が危険な仕事ばかりを押し付けられる一方で、女性は大した仕事をさせてもらえませんでした。
女性専用車両に乗ることによって安心感が得られるということは、「男性を信用していない」、「男性を敵視している」といった、男性に対する差別意識をもっているということです。
こうした男女対立は本当に悲しいことです。
当たり前のことですが、全ての男性が痴漢(またはその予備軍)というわけではありません。
つまり、ほとんどの男性は痴漢ではないのです。

しかしながら、こうした当たり前のことが理解できていないと、「男のくせに……」、「女性は弱者だから……」といった差別意識と差別的言動につながります。
電車内は(風呂場のように)なんでも露出するような場所ではありませんから、男女を分けようとするのではなく、「男女混合」にしておくことが望ましいということです。
男性と女性の距離を離しても良いことはありません。男女で憎み合うべきではありません。
性別で雑に判断するのではなく、個別で判断するべきです。
ですから、「男性だから痴漢しそう」とか「女性だから見下せる」という差別的な考えは捨てましょう!
日本の人権意識が疑われる
先進国で女性専用車両がある国は、宗教上の理由を除いてほとんど存在しません。
なぜなら、先進国の常識では「女性専用車両は性差別である」となっているからです。
女性を隔離するひどい車両という認識なのです。女性蔑視のイメージです。
そのため、女性専用車両ができたとしてもすぐに廃止されます。
そんな外国人が日本に訪れたとき、「Women Only」の表示をどう受け止めるのでしょうか……?
厳しい意見かもしれませんが、女性専用車両は日本の恥です。
残念ながら、日本の人権に関する常識はおかしいです。不当な差別が常識になってしまっています。
これは私の座右の銘でもあるのですが、常識よりも良識をもちましょう。常識に流されないことで、真実が見えてくることもありますよ!
差別便乗問題
鉄道会社が「女性専用車両」という名称のサービスを実施していることに便乗して、一部の施設や店では女性専用席や女性割引が実施されています。
民間企業でもそうなのですが、女性のみをターゲットにしたサービスをよく見かけます。
例えば、女性専用旅館、女性専用ホテル、女性専用ジム……などですね。
こうしたサービスのほとんどは「男性差別」に該当します。
こうした差別的なサービス(営業方針)が増えていくことは大問題です。
日本がどんどん差別大国になっていってしまいます。

民間企業の戦略であっても不当な差別はダメであることを、心に刻んでほしいです!
差別反対派の駅員さんや乗務員さんがかわいそう
駅員さんや乗務員さんは上からの命令で、「男性への声掛け」や「女性専用車両のアナウンス」をおこなっている場合が多いです。
差別に反対したいと思っている駅員さんや乗務員さんもいらっしゃるのでしょうが、上からの命令には逆らえず、仕方なしに差別をしてしまうことがあります。
まあ、意思がどうであろうと不当に差別したらダメなのですが……。
混雑差
女性専用車両に男性を乗せないようにすることで、男性が女性専用車両以外の車両に乗車し、女性専用車両以外の車両が混雑する問題が生じています。
私は混雑する時間帯の電車を利用しないのでよくわかりませんが、よく利用する方の話によると、女性専用車両だけ(比較的)空いている状況が多いようですね。

混雑するということは、痴漢される可能性も上がるということです。恐ろしいですね。
そうしたことがあるので、大きなイベントなどで電車の大混雑が予想される日は、女性専用車両の設定を解除する場合があるようです(笑)。
本当は混雑するときこそ、痴漢対策に力を入れるべきですよね?
これで、「女性専用車両は痴漢対策のために存在している」というのがウソだとわかります。
選挙対策と広告収入で廃止できない(?)
ほとんどの方は「痴漢対策」という大義名分に騙されています。私も子供の頃は騙されていました。
実は、女性専用車両はある政党の「選挙対策」で導入されました。これはあまり有名な話ではありませんね。
また、鉄道会社は「女性専用車両限定広告」で広告収入(通常広告の2倍近くの収入)を得ています。
2倍近くなので、長期的に見るとかなりの収益になります。
そうした政治的な事情や収益的な事情があり、女性専用車両に関する苦情への対応は「その場しのぎ」となっています。
厳しい解釈かもしれませんが、男性の人権なんて鉄道会社にとってはどうでもよいのです。
これって、男性蔑視そのものではありませんか?

ここまでくると、鉄道会社は女性専用車をやめられないのでしょうね……。
おわりに
……このように、女性専用車両には問題点がたくさんあります。
これで、女性専用車両の主な問題点は説明できました。
勘違いされては困るので書いておきますが、私は痴漢対策には賛成しています。
しかし、女性専用車両のような問題だらけの男性対策には反対しています。
正直なところ、「こんなデメリットだらけの女性専用車両は早く廃止してほしい!」と思っておりますが、鉄道会社にその気はないようですね。
もっと多くの方が声を上げないと、女性専用車両の廃止は非常に難しいのかもしれません。

これで、女性専用車両反対派の意見がよく伝わったと思います。
もし、「この説明がよくわからない」といった部分があれば、お問合せフォームから問い合わせてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。